
伝統とは、取り組む精神である。
江戸小紋染色 小宮康正
国指定無形重要文化財:人間国宝
「伝統職人協創プログラム」は、葛飾区伝統職人会とそのメンバーである職人たちを応援するプログラムです。TOKYO町工場HUBが提案、企画・運営しています。多種多様な分野の人たちをつなぎ、伝統職人・技術・文化が次世代に継承される取り組みを行なっています。
葛飾区伝統職人会
葛飾区伝統職人会は、昔ながらの伝統と磨き抜かれた技を持つ区内伝統産業職人で構成する団体として1991年4月に発足し、区内伝統産業の継承と普及活動に取り組んでいます。
2001年5月には、葛飾区立石に「葛飾区伝統産業館」をオープンし、伝統の技、伝統の品をより身近なものとしていただけるよう伝統工芸品の展示・即売・実演などを行っています。


職人会の課題
職人会の課題は、複合的です。職人の高齢化、会員の減少、後継者不在、日本人のライフスタイルの変化、市場の縮小、コロナ禍、インバウンド観光客への未対応など。最大の問題は、こうした様々な問題を解決するための人材や資金などのリソースが不足していることです。外部との連携を活かした新しい方法が求められています。

本プログラムのビジョン
葛飾区の伝統文化の次世代への継承するためには、継承されてきた文化価値を社会で共有することが大事だと考えています。伝統文化の裾野は広く、多種多様の人を受け入れる懐があります。
何らかの形で伝統文化の継承に関わることで、オーナーシップを持つ(自分ごとにする)ことができます。「協創」は、伝統文化の継承に関わる具体的な接点となり、価値創造と学びと相互進化を促す機会となります。

本プログラムのアプローチ
伝統職人会の提供できる価値は、大きく、懐が広く、また深い。この信念が、本プログラムの根底にあります。協創とは、異なる価値を持つ者が、それぞれが持っているものを出し合い、新しい価値を創造すること。職人会の持つ技術的・文化的な価値を、社会の多種多様な強みを持つ者たちと組み合わせダイナミックで柔軟な協働の仕方を模索します。
現在進行中の案件
葛飾区伝統職人(敬称略、一部)

矢田幸蔵
矢田型紙店
江戸型彫
葛飾区伝統職人会 会長、東京マイスター、葛飾区伝統工芸士。20年以上にわたり、「銀座ラ・ポーラ」にて作品展を行う。

河野公昭
三絃司きくおか
三味線
葛飾区伝統産業館 館長、葛飾区伝統工芸士、東京マイスター。本格DIY三味線の発案・製作や、諸外国の大使館や小学校での三味線弾き方教室など、積極的に活動。

柳富治
ヤナギアート
銅板仏画
前葛飾区伝統職人会 会長、パリ・ルーブル美術館で芸術大賞受賞、葛飾区伝統工芸士、東京マイスター、卓越技能賞(現代の名工) 、黄綬褒章

松浦勝利
マツウラブラスト
硝子彫刻・江戸彫
葛飾区伝統工芸士。プロ野球・プロゴルフをはじめとしたスポーツイベント等の受賞品など、数々のトロフィーへの彫刻を行う。

矢部 恵延/祐介
印伝矢部
印伝
葛飾区伝統工芸士、東京マイスター(恵延)。創業80年を超える老舗としてのブランドを保持しながら、新柄の制作等を意欲的に行う。

八重樫 宗秋
八重樫打刃物製作所
江戸打刃物
葛飾区伝統工芸士。刀匠の流れを汲む伝統的な鍛冶職人。一本ずつ火造りを行って鍛造し、切れ味の良い刃物を製作する。

佐柄 真一/誠二
有限会社サガラ
棕櫚たわし
葛飾区伝統工芸士。プロ野球・プロゴルフをはじめとしたスポーツイベント等の受賞品など、数々のトロフィーへの彫刻を行う。

清水 三千代
株式会社清水硝子
江戸切子
葛飾区伝統工芸士 東京マイスター(三田隆三氏)。