

東京に町工場のHUBをデザインする
有機的につながるモノづくりのエコシステム
東京には、現在、2万軒を超える工場があります。国内でも有数の工業地域には違いありませんが、ピーク時には四倍以上の数があったとされています。過去30年間の厳しい淘汰の時代に工場の数は激減しました。
かつての日本の製造業は、メーカーや商社を頂点にしたピラミッド型の構造の中で、多くの町工場が「下請け」としてものづくりの最下層の現場を支えてきました。しかし、グローバル化が進展し、経済の仕組みが変化する中で、盤石に見えたピラミッド構造は崩れ、変化の波に乗れなかった工場は、バラバラになったまま取り残され、工場の閉鎖や廃業を余儀なくされました。
TOKYO町工場HUBは、この激しい淘汰の時代を生き残った町工場のつながりを新たに再構築し、東京のイーストサイドに、国内外のアントレプレナーのための「ものづくりエコシステム」を作り出すことを目指しています。これはかつての垂直型のヒエラルキーではなく、水平型の協働をベースに事業展開されるものであり、ITと通信が高度に発達し、グローバル化が成熟してきた現代の社会や経済の仕組みを先取りするものになります。
東京の厳選された町工場のつながりをデザインすることで、アントレプレナーが自由自在に夢やアイデアをカタチにし、事業を成長させるためのリソースとなり、インスピレーションとなり、パートナーとなることがTOKYO町工場HUBのビジョンです。

このようなニーズに対応してます。
・試作・量産をどこに、どのように頼めば良いか分からない。
・どれくらいのコストが必要か見当がつかない。
・アイデアを製品にするまでの設計や製造のサポートが欲しい。
・ものづくりビジネスを戦略的に進める方法論を知りたい。
・製造に関する信頼できるパートナーが欲しい。
HUBデザインのコンセプト
有機的なつながりであること
TOKYO町工場HUBのネットワークは、各分野の鍵となる町工場との戦略的な事業提携をベースに、そこから有機的に繋がる町工場との連携を広げ、HUBを形成しています。この連携は相互の信頼をベースに有機的につながっているものです。会員制ネットワークのようなオープンなものではなく、本質的にクローズドなものですが、長年の取引や切磋琢磨を通じて、工場間にはものづくりの「あうん」の呼吸が合っており、余計なコストをかけずに柔軟かつスピード感を持って案件を進めることが可能になっています。
アントレプレナーのニーズに寄り添うこと
アントレプレナーのニーズは、その成長段階に応じて変化するものです。立ち上げ時には試作や小ロット生産のニーズが高く、成長期には効率的な量産が求められ、町工場への期待も変化します。その多様なニーズに応えるため、従来のやり方を脱し、ビジネスモデルを再構築する取り組みを町工場と続けています。事業コンセプトの見直しから始まり、業務体制、設備投資、顧客対応、情報発信など、それぞれの町工場の状況に応じて、最適化へ向けて事業の改良改善に取り組んでいます。
全ての関係者が幸せになること
お客様は「神様」ではなく、対等な関係で向き合うパートナーであると考えています。アントレプレナーにとって私たち町工場の役割は、最終ユーザーに価値ある製品やサービスを作り出すためのパートナーであることだと任じています。同じ方向を向くことで、利益を奪い合うゼロサムゲームではなく、新しい付加価値を生み出す協働が生まれ、全ての関係者が幸せになる好循環が生まれるものだと信じています。
TOKYO町工場HUBでは、そのような信念の下、町工場の経営者の意識の変化を促すとともに、顧客との取引形態、コミュニケーションの方法、報酬や単価の計算についても、具体的に新しい機軸を打ち出しています。
価値創造のための町工場ネットワーク
東京の町工場は、従業員が5人未満の小規模なところが多く、特定の分野での技術力が非常に高い一方、1社で製品を完結させることは難しく、相互に協力しながら、発注者の様々なニーズに応えてきました。しかし、町工場の数が激減する中、このような協力体制は至る所で寸断されており、ものづくりのエコシステムは機能性を失いつつあります。
TOKYO町工場HUBでは、寸断された紐帯を各分野ごとに「町工場のHUB」を形成することで、新しい時代のものづくりのエコシステムを構築しています。例えば、機械関係の設計・開発部門の町工場を中心に、プレス、金属切削、溶接、金属研磨などの金属加工、射出整形、樹脂切削、樹脂研磨などの樹脂加工、さらには電子制御系、組み立て加工など、多種多様な機械生産のニーズに応えるHUBを形成してきました。
アクセサリー、雑貨、パッケージや伝統産業にも、それぞれのHUBを形成し、広く連携体制を築いています。
こうした町工場は相互の信頼関係で結びついているものです。その緊密なネットワークをベースに、より創造的にものづくりを推進できるようHUBの構成や取り組みをデザインしています。

HUB工場
FACTORY HUB
TOKYO町工場HUBは、東京都の葛飾区、足立区を中心に100社を超える町工場のネットワークを築いています。中でも戦略上各分野で核となる以下の工場は、特別にHUB工場として事業提携し、新事業の開発をプロデュースしています。

株式会社 小川製作所
製造クラスターを再構築
機械設計・開発、精密部品加工、板金
機械設計・開発、金属加工全般をカバーする多様なネットワークを持ち、この分野のHUBとしての役割と機能を果たしています。ものづくり全般に対する豊富な経験と知識をもち、TOKYO町工場HUBの基幹となるクラスターをリードする重要なパートナーです。同社の取締役 小川真由氏は、さまざまな媒体でものづくりや経済について情報・意見を発信しています。
詳しくは、こちら。

SHIINA FACTORY
有限会社椎名製作所
作家・クリエイターに特化したビジネス
金属アクセサリー製造・加工
TOKYO町工場HUBと有限会社椎名製作所とは、飛躍的に成長しているハンドメイド市場で活躍するアクセサリー作家・クリエイターに特化した製造・加工サービス事業「SHIINA FACTPRY」を共同で立ち上げ、運営しています。アクセサリー製造に関わるクラスターをHUBとして再構築し、オープンなファクトリー機能を構築しています。
詳しくは、こちら。

PACKAGE ART
パッケージアート株式会社
「包む」を通じて価値創造
パッケージを総合プロデュース
パッケージアート株式会社は、パッケージを通じて、多種多様な分野と業種に繋がり、ビジネスHUBとしてのポテンシャルを高く持っている町工場です。自社で企画・製造する工場を持つ上に、7000種類の関連製品を扱う商社でもあります。2020年以来、TOKYO町工場HUBは同社のビジネスプロデュースを手がけています。
詳しくは、 こちら