超高齢化社会プログラム2019@一橋大学ICS DAY3

超高齢化社会を見据えた技術革新

海外のExecutive MBAを対象とした超高齢化社会の学習プログラム3日目は、最先端の技術革新の動向を知るために、AI(人工知能)を活用した社会課題解決に取り組む株式会社エクサウィザーズへの訪問から始まりました。

プログラムも3日目になると参加者もリラックスしたようで、表情も明るい。

変なホテルへ

現地に予定より早めに到着し待ち時間があったので、近くにあった「変なホテル」を見学することに。これはDAY1の小野浩教授(一橋ICS)のプレゼンテーションで、労働人口の減少に対する実験的な取り組みの一つとして取り上げられたもので、ロボットがレセプションで受付をしている不思議なホテルです。その名のとおり「変なホテル」に参加者は大喜び。それぞれ楽しく記念撮影を撮っていました。

株式会社エクサウィザーズ

さて、株式会社エクサウィザースは2016年2月に設立された新進のベンチャー企業。超高齢社会を見据えて、金融、製造、小売、飲食、教育、医療、メーカー、IT通信など、幅広い分野で様々な取り組みを行なっています。今回はエクサウィザーズ社の創業者であり、代表取締役の石山光社長より、介護分野の人材育成のために開発されたコーチングAI「Alpha Kaigo」というシステムを中心に同社の理念やビジョン、ユニークな人材の活用方法などについて話して頂きました。

Alpha Kaigoは、画像認識の技術によって介護サービスの質を定量評価し、その蓄積されたデータをAIによって解析することで、介護サービスの改善や介護スタッフのトレーニングなどに活用されるもので、フランス発祥のコミュニケーションケア技法『ユマニチュード』の考え方をベースにケアの品質の改善、介護者の負担の軽減に役立つことを目指しています。

詳細は、同社の公式ホームページでも紹介されています。

株式会社エクサウィザーズの代表取締役社長 石山 光氏

コミュニケーションケアの感覚を体験するため、二人ひと組で見つめ合うトレーニングを行うなど、石山社長のプレゼンテーションは終始ユーモアに満ちていて、あっという間に2時間が過ぎてしまう内容の濃さでした。

技術面での先進性も優れていますが、同社が社会の問題解決を企業の理念として掲げている点や、多様性を認め、最大限にその強みが生かされる組織づくりや環境づくりに力をいれていることに、参加者は共感を示していました。

最新の技術をいかに社会課題解決に活用するのかといった点でも非常に参考となるプレゼンテーションでした。

昼食は、丸の内のレストランで。タイトなスケジュールが続き、外で食べるランチは初めて。長居はできませんでしたが、和気藹々と楽しく過ごすことができました。

ブルムバーグ社

昼食後は、金融専門の国際的メディアであるブルムバーグ社を訪問。同社はニューヨークのウォール・ストリートで1981年に創業した企業で、世界の最新金融ニュース、マーケット情報、市場の分析や、マーケットデータ、金融情報を全世界に提供しています。株式、投資信託から、世界各国の株価指数、金利/債券、商品先物など最新のマーケット情報を掲載しており、日本にも東京に支社があります。

東京のオフィスは、新丸の内ビルの高層階にあり、窓の外は皇居を見下ろす絶景です。オフィス内部(公共スペースを覗く)の撮影は禁止されているので、お伝えできないのは残念ですが、ロビーにあるカフェスペースも、多種多様な飲み物とスナックがおいてあり、さながらホテルのような素敵な環境です。テレビでのニュース放送の録画スタジオも見学させてもらいました。

今回は、同社の外国人記者の方々から見た日本の社会の変化についてお話頂きました。分野が異なる4人の記者がそれぞれプレゼンテーションを行ってくれました。金融専門のメディアらしく、負債と金利から見える日本の経済や社会の状況から話題は始まり、最後は高齢者の生きがいや職業などに話が展開し、とても興味深いものでした。

グループワーク

3日目のセッションは、これで終了。残り時間はグループワークに充てられました。グループ専用の部屋でまずは課題を分析し、必要な情報を入手することから始まります。

異国の、経験したことのない分野のことをきちんと理解するのは簡単ではありません。でもさすがに世界の著名ビジネススクールのExecutive MBAたちです。すごい集中力で情報を収集し、分析を行い、的確な質問をまとめています。

最終日に企業へのプレゼンテーションを行いますが、その内容が楽しみです。

一橋大学大学院 国際企業戦略研究学科(ICS)について

一橋ICSは、日本有数の国立大学として伝統ある一橋大学を母体とし、その精神を受け継ぐビジネススクールです。2000年、経営学教育のイノベーター集団により、全ての授業を英語で行う日本初のグローバルなMBAプログラムとして発足しています。教授陣には、野中郁次郎一橋大学名誉教授や数々のビジネス書でも有名な楠木建教授などが在籍されています。

http://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/

Global Network for Advanced Management/Global Network Week

Global Network for Advanced Managementは、世界のトップビジネススクール30校により構成されるネットワークで、一橋ICSは、設立当初から日本を代表とする1校として参加しています。

本プログラムは、Executive MBAを対象にしたGlobal Network Week for EMBAの一環です。世界のEMBAの学生たちが、各国で開催される1週間のプログラムに参加するもので、一橋ICSは昨年から「超高齢化社会」をテーマに本プログラムを実施しています。

TOKYO町工場HUBは、一橋ICSの委託を受け、第一回目より本プログラムの講師陣の一員として企画と運営に関わっています。