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キーボード・クリエイター vs パッド印刷!

100名を超えるキーボードクリエイターが集結

六本木ヒルズに近いコーワーキングスペースに、内外のキーボードクリエイターが集合。既存の概念にとらわれないアイデアと斬新なデザインで製作された独自のキーボードを持ち寄って展示し、最先端の動きを情報交換、キーボード好きのネットワークを作ることを目的にしたイベント「Tokyo Mechanical Keyboard Meetup Vol. 4」が2018年5月6日(土)に開催されました。

TOKYO町工場HUBは、パートナーの1社である主催者からの招待を受けて、足立区の優れたパッド印刷技術で知られる株式会社安心堂とともに参加しました。当日は、100名以上の参加者の熱気で、予想を超えた盛りあがりとなり、外国人も多く、どこか海外の展示会のような雰囲気。

クリエイターたちがパッド印刷に釘付け

安心堂は、他の3つのキーボード製作者と共に、今回のプレゼンターとして選ばれています。次世代キーボードを製作する上での画期的な技術として紹介され、同社の取締役である丸山有子さんがプレゼンテーションを行いました。「パッド印刷という技術を聞いたことがある人?」という問いかけには、ほとんどの参加者が首を振っていましたが、同社が独自に開発した手動小型パッド印刷機「なんでもくん」を見て、興味津々という感じでした。

丸山さんが技術の説明を始めると静まり返り、米粒に印刷した実物を見せると一様に驚きの声。実技を製版の段階から順番に見せていくと参加者の目が輝き始め、ワクワク感が会場内に高まるのを感じます。丸山さんの軽快でグイグイと引き込まれるトークに誘われるまま、いよいよパソコンのキーに印刷する段となり、その場で作った製版を使ってキーの上の小さなスペースにロゴマークを精巧に印刷すると、興奮がピークに達して、わいのわいのの大盛り上がり。

この盛り上がりは何?と驚くほどでした。

カタルシスとしての町工場の技術

クリエイターという職業人は、基本的にいつも壁にぶつかっているのでしょう。ああしたい、こうしたいというアイデアと、ああでもできない、こうでもできないというジレンマの間で行ったり来たりしているのが、ほとんどではないでしょうか。そんな中で、丸山さんが示したパッド印刷という方法は、非常にシンプルでありながら、今までに想像しなかった創作の可能性を見せたことで、参加者に一種のカタルシスを呼び起こしたのだと思います。そんな印象を強く受けるプレゼンテーションでした。

終わると、参加者が殺到。隠れていた宝物を見つけたような感じでした。

創造力の可能性は、まだ手付かず

こうした最先端にいるクリエイターたちの反応を見ていると、創造力を発揮できる分野はまだまだ多く、手付かずのところが多く残されているのではないかと感じます。それは技術だけではなく、作り方やコストの掛け方など製造そのものにも言えます。例えば、安心堂では、自社のスペースを時間単位で貸し出し、自分でパッド印刷ができる「試作工場」の事業も始めていますが、その使用料金や使い勝手は、今までの工場の取り組みにはない新鮮なものがあり、今回の参加者も驚いていました。

ともすると閉塞感を感じやすい世の中ですが、わくわくすることは、たくさん残っていると改めて思います。こうした会でプレゼンするのは、とても勇気のいることですが、丸山さんのようなチャレンジ精神が新しい道を切り拓くのでしょう。丸山さんの突破力に脱帽です!

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