東京のものづくりのストーリーを詰め込んだキーボード
本プロジェクトは、デザイナーであり、起業家でもあるアルビン・チェン氏(以下、アルビン)が新しいパソコン用のキーボードを企画・デザイン・プロデュースするものです。TOKYO町工場HUBはパートナーとして製造面のアレンジを担っています。
今回のTOKYO KEYBOARDは、アルビンにとって2機目の制作となります。一般の人が使うキーボードではなく、特殊なプログラミングを行うプロ仕様のものです。大成功を収めた初代のキーボードは、海外で調達した部品を中心に制作されましたが、今回は主要な部品を東京で調達することを基本方針にしています。ひとつひとつの部品や加工にまつわる町工場の物語を紡ぎながら、製品を作り上げていくことを目指しました。
アルビンのコンセプトは、つくり手の思いや物語をデザインや仕様に反映させ、ユーザーにとって美しく、感動のある製品を作ることにあります。スピードや便利さを過度に追求し、安さを求めて大量生産・大量消費される今の世の中のあり方に一石を投じるものです。
本プロジェクトは、透明度の非常に高いアクリルから、キーボードの筐体となる上下のセットを削り出す加工から始まりましたが、次第に当初の予想を超えて、次から次へと新しい物語を紡ぎ出す結果になりました。キーボードに使われる部品やその加工を担ってくれた町工場の物語であると同時に、本プロジェクトは外国人であるアルビンの東京発見の物語にもなっています。
TOKYO KEYBOARD
Alvin Cheung
Designer, Entrepreneur
アルビンは、米国カリフォルニア州出身のプロダクトデザイナー、起業家です。サンフランシスコでフード関係のベンチャーを設立したのち、日本に移住しました。日本では自由が丘に先進的なカフェを立ち上げて成功。現在は、キーボードを中心に、ものづくりの活動に情熱を注いでいます。
Contributors of Tokyo Keyboard
Tokyo Keyboardを制作するにあたっては、技術力があり、歴史のある東京の選りすぐりの町工場にご協力を頂いています。デザインや加工上の課題を解決すべく試行錯誤する中で、ひとつひとつ相談させて頂きながら築いた制作チームですが、完成品ができあがってみれば、ひとつとして欠かすことのできない素晴らしい人と技術の組み合わせとなりました。
株式会社オーエム
マツウラブラスト
戸谷染料商店株式会社
パッケージアート株式会社
ストーリー
TOKYO KEYBOARDプロジェクト #1
TOKYO KEYBOARDプロジェクトは、デザイナーであり起業家でもあるアルビン・チェン氏が、東京の町工場のストーリーを詰め込んだ新しいキーボードをプロデュースするものです。TOKYO町工場HUBは製造面でサポートしています。
TOKYO KEYBOARDプロジェクト #2
TOKYO KEYBOARDの主要部品である筐体はアクリル樹脂で制作することになりました。この加工にあたっては、足立区のプラスチック加工の老舗、株式会社オーエムさんに担当頂きました。素晴らしい出来栄えに、アルビンも大満足です。
TOKYO KEYBOARDプロジェクト #3
アクリル樹脂の切削加工で残った削り跡を取り除くため、サンドブラストという手法を試すことになりました。お願いしたのは葛飾区のマツウラブラストさん。期待を大きく超えた出来上がりとなりました。
TOKYO KEYBOARDプロジェクト #4
透明なアクリル板をグラデーションをつけて美しく染めたいというアルビンの希望に応えるべく、様々な手法を試行錯誤。辿り着いたのが、浅草で染料を作り続ける老舗の戸谷染料商店さん。Tokyo Keyboard試作開発のクライマックスです。
TOKYO KEYBOARDプロジェクト #5
TOKYO KEY BOARDの新作キーボード「ALIX 40」の予約販売が2020年9月11日に開始され、限定100台が即日で完売致しました。付加価値を高めることで、関係者すべてが幸せになる理想的なビジネス事例となりました。