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第2回:大企業のものづくり

ニコン様のご協力

TOKYO町工場HUBが、東京の小学校からの委託で企画・運営している10歳のためのものづくり学習プログラムの第2回目のセッションを2019年10月21日(月)の午後に実施しました。

今回は、日本を代表するカメラメーカーである株式会社ニコンのご協力を得て、ニコンミュージアムの見学と同社デザインセンターの主任研究員である渡邉純人さんがファシリテートするデザインワークショップを組み合わせた豪華なセッションです。ミュージアムと品川駅付近のカンファンレンスセンターでの2会場を使いました。

本プログラムでは、ものづくりの技術的な発展や製品の社会での普及を学びつつ、ものを作ることの楽しさやワクワク感も体験することを目指しています。今回のセッションは児童たちの知的好奇心とイマジネーションを引き出す最高のプログラムとなりました。

児童たちが目を輝かすミュージアム

ニコンミュージアムは、歴代のカメラ約500点を一堂に見ることができる迫力の展示や、フィルムカメラなどを実際に触れることができる「ハンズオンコーナー」、双眼鏡や顕微鏡、さらには半導体製造、天体望遠鏡、衛星用光学機器など、レンズのさまさまな技術的応用がわかりやすく学べるように展示されています。

他の企業のミュージアムは、製品のショールーム的なところが多いのに対し、ニコンミュージアムは、カメラが築いてきた歴史や文化、技術の発展と広がりを大人にも子供にも楽しんで学べる構成になっており、素晴らしい内容です。

ガイドの方の説明を受け、質問をし、児童たちは大いに学び、楽しんだようです。ミュージアム見学を終えた児童たちは、皆、ホクホク顔でした。

デザイン・ワークショップ

デザインセンターの主任研究員でありデザイナーでもある渡邉さんには、ものづくりのプロセスで重要なデザインについてやさしく解説してもらい、児童たちがカメラをデザインするワークショップを行いました。

渡邉さんはデザインを「使うひとのことを考えてものづくりすること」と児童たちに説明しています。単にカッコいいとか可愛いだけではなくて、使う人にとって何が良いのかをしっかり考えなくてはならない。ワークショップでは児童たちが体験的に「使うひとを考えるデザイン」を学べることを目指し、考えるべき要件を細分化して、段階的にデザインを組み立てるように構成にして頂きました。

この課題はターゲット属性とユースケースを考えてデザインせよ、というものであり、10歳の児童たちのワークショップとしては、かなりハードルが高いものです。それでも、みんなは果敢に難題に挑戦してくれました。

実際、驚くほど多様性のある素敵なアイデアやデザインが次から次へと生み出され、アイデアソン並みの熱気と盛り上がりとなりました。児童たちの柔らかい発想やイマジネーションには驚嘆するばかりです。

知的好奇心というパワー

本プログラムのご相談を受けた時に最初に考えたのは、児童たちを同じ学び続ける人としてリスペクトすることから始めようということでした。TOKYO町工場HUBとしては小学生を対象にするプログラムは初めての体験ですが、小学生だからといって遊びや子供だましのような内容は避けようと。

今回のワークショップを通じて、その考えは正しかったと実感しています。子供たちの創造力は非常に高いものでしたし、それは知的好奇心というすごいパワーの裏付けのあるものでした。加えて、渡邉さんの非常に優れたファシリテーション能力と児童たちに寄り添うやさしい気持ちが相乗効果をもたらしました。

御礼

100人を超える児童たちを案内してくださったニコンミュージアムの皆様には大変なご尽力を頂きました。またワークショップを担当いただいた渡邉さんには、超多忙なところに本件を受け入れて頂き感謝の思いで一杯です。CSR部の鈴木さんにはワークショップのお手伝いをいただき、大いにに助かりました。

本プログラムのご協力を頂きました株式会社ニコンの皆さまには心より御礼申し上げます。本当に素晴らしいセッションでした!