小川真由氏ブログ「中小企業が主役となる時代へ」
TOKYO町工場HUBのメインパートナーである葛飾区の株式会社小川製作所の小川真由さんが、ご自身のブログで「中小企業が主役となる時代へ」と題する文章を投稿されました。これは、昨年来、小川さんが様々な統計を調査・分析し、日本の経済や社会、国民の生活や働き方について広い分野に渡って執筆された連載ブログの総まとめとなる論文であり、私たちへ向けて強い問題意識とメッセージを投げかけている檄文でもあります。
これからの中小企業は、どうあるべきか。小川さんは「生産性」ということに触れ、次世代を担う中小企業の経営者が考え行動すべき処方箋を丁寧に解説されています。複数の具体的な方法論が提示されていますが、小川さんの主張を筆者なりに解釈すれば「ビジョンを持て」ということなのではないかと理解しています。
小川さんの提唱されている中小製造業クラスタは、まさにビジョンです。これは世間にある互助会的な業界団体や、行政が取りまとめる補助金で繋がるネットワークとは、コンセプトからして全く異なるものです。「緩く」繋がるということは、決して「誰でもクラスタに参加できる」ことを意味しません。むしろ全く逆で、相互に信頼し、理解し得ているからこそ「緩く」繋がって成果を出せるのであって、信用されないもの、成果を出せないものは決してクラスタの一員にはなれないのです。創造性を持って、お互いに切磋琢磨する。こういう厳しさと向き合った先に、本当の協働であったり、成功が見えてくるのではないか。これが小川さんの主張の底辺を流れる哲学なのだと考えています。
蛇足が長くなりました。小川さんの渾身の文章をぜひご一読ください。きっと何か新しいものを感じるはずです。