

モノづくり
for Startups
新時代スタートアップにとってのモノづくり
新時代のスタートアップのモノづくりは、全く新しいコンセプトに生まれ変わっています。ハードウエアとソフトウエアは融合し、リアルとバーチャルは急速に相互乗り入れ始まっています。従来の「ものづくり=ハードウエア=製造業」という概念は、現代の「モノづくり」の一範疇に過ぎなくなりました。一方、AIをはじめソフトウエアの応用分野が急速に拡大する中、社会のリアルとの接点も大きく広がっています。これからのスタートアップは、有形・無形の「カタチ」を「モノ」として扱い、これまでにない事業を構築することになります。
TOKYO町工場HUBが構築しているスタートアップのエコシシテムにおける「モノづくり」とは、このような新時代の「モノ」の文脈においてスタートアップの事業開発をお手伝いするものです。ハードウエア開発の強みを活かしながら、「モノづくり」の多様なリソースへのアクセスをサポートします。
リソースへのアクセス
モノづくりにおいて、TOKYO町工場HUBが行う経営資源(リソース)へのアクセス支援とは、単純な製造事業者のマッチングとは全く異なるサービスです。スタートアップの人的・技術的なリソースの外部調達を戦略的にサポートするもので、事業開発の観点からニーズを特定し、最適なパートナーをつなぎ、具体的な開発工程や取引の枠組みを個別に構築するお手伝いをします。

1/0NEの事例
AI搭載マシンの次世代型マイクロジム「1/workout」を開発している株式会社ONE SLASH ONE (1/ONE、読み方:ワンスラッシュワン)の開発初期における開発パートナーの導入をTOKYO町工場HUBが支援しました。
モノづくり支援
TOKYO町工場HUBは、対話に時間をかけます。それぞれの事業者の状況を把握し、抱える課題を明確に特定し、適切な分析と評価を行います。このプロセスはスタートアップの経営者にとって価値ある成果につながるものとなります。スタートアップの開発段階、人的リソースの有無、資金的・時間的な制約などの理解を踏まえ、経営者が合理的な判断をできるように情報を整理し、外部調達先との関係構築・発注プロセスをサポートします。
プロダクトデザイン

プロダクトデザインは、市場調査から競合製品の分析・評価から始まり、仕様の決定までの一連のプロセスです。事業開発の核心に関わる工程。スタートアップの状況に応じて、一部または総合的に支援体制を構築します。
設計

製品開発のあらゆる分野・レベルで設計が必要となります。したがって、設計も事業や製品開発の段階に応じた戦略性が必要となります。設計次第で製造コストも大きく左右されますので、設計者への明確な意思伝達が重要です。
製造

試作から量産まで、製造工程のどの部分で、どのような製造事業者と組むかは、事業開発上の大きな課題です。コストに直接反映する部分であり、慎重な判断が求められます。自社にフィットする工場を見出すことが大事です。
グローバルなモノづくり
スタートアップのモノづくりはグローバルなネットワークの中で展開しています。AIやコミュニケーションツールが発達し、国際的な物流や決済サービスも急速に発展しており、これからのスタートアップは、様々な意味でボーダーレスな事業環境を前提に開発を進めていくことになります。TOKYO町工場HUBでもグローバルなネットワークを築いており、国内外のスタートアップを支援しています。

ケニアでの電動バイク開発
ケニアで使用される電動バイクの開発案件をロンドンのプロダクトデザイン事務所(ARVenture Studio)と協働で取り組みました。ケニアの事業者、ロンドンのプロダクトデザイン事務所、量産が中国という構成で、TOKYO町工場HUBは、ボディ部分の開発に関わりました(株式会社小川製作所)。
自立的な経営を支援
スタートアップの支援においては、自立的な経営が大事だと考えています。支援は必要最小限にし、必要な時に必要なサポートを行うようにバランスを取っています。例えば、実際の製造工程の段階に入った後は、スタートアップが直接工場と開発を進めます。また、伴走支援が必要なケースでもメンター的な立ち位置でサポートを行います。
ハードウエア開発の難しさ
ハードウエア開発には、ソフトウエア開発とは異なる独特のプロセスやリズムがあります。「モノ」というアナログな対象を扱うことから、デジタルにはない課題や障害と向き合うことになります。開発にかかる時間やコストは予想以上になることも多く、思いがけない落とし穴があることも少なくありません。実際、多くのスタートアップが失敗を経験します。
大事なことは、失敗しても再挑戦したり、ピボットを繰り返すことで事業を改善し、成長させることです。そのためには、失敗によるダメージをコントロールし、仮説検証のプロセスを繰り返すことができる資力と時間を残す戦略的な思考が大事です。その具体的な戦略づくりをTOKYO町工場HUBはお手伝いしています。

サウナストーブ開発開発
株式会社アサブロが開発を手がけたサウナストーブの開発案件は、試作と検証を繰り返しながら進めたプロジェクトです。電気仕様のものから始めて、バイオエタノール仕様にピボットし、更に改良改善を繰り返しましたが、どうしても解決が難しい技術的な課題を越えることができず、一旦、開発は断念となりました。
一方、未知の分野を開拓する上でのリスクコントロールという面では、良い事例となっています。ビジネスにはリスクはつきものですが、リスクを最小限にする工夫こそ、スタートアップに求められる戦略です。