超高齢化社会プログラム2019@一橋大学ICS DAY1

世界のExecutive MBA対象プログラム

TOKYO町工場HUBは、昨年に引き続き、一橋大学大学院 国際企業戦略研究学科(一橋ICS)の委託をうけて、世界から来日するExecutive MBAを対象に超高齢化社会をテーマにした1週間のプログラムの企画と運営に関わりました。今回も、アメリカのバークレー、イエールなどの名門校に通う世界中から23名の参加者が集まり、非常に充実し、かつレベルの高いプログラムを実施できました。終了後に行ったアンケートでは非常に高い評価を得ることができました。

一橋大学大学院 国際企業戦略研究学科(ICS)について

一橋ICSは、日本有数の国立大学として伝統ある一橋大学を母体とし、その精神を受け継ぐビジネススクールです。2000年、経営学教育のイノベーター集団により、全ての授業を英語で行う日本初のグローバルなMBAプログラムとして発足しています。教授陣には、野中郁次郎一橋大学名誉教授や数々のビジネス書でも有名な楠木建教授などが在籍されています。

http://www.ics.hub.hit-u.ac.jp/jp/

Global Network for Advanced Management/Global Network Week

Global Network for Advanced Managementは、世界のトップビジネススクール30校により構成されるネットワークで、一橋ICSは、設立当初から日本を代表とする1校として参加しています。

本プログラムは、Executive MBAを対象にしたGlobal Network Week for EMBAの一環です。世界のEMBAの学生たちが、各国で開催される1週間のプログラムに参加するもので、一橋ICSは昨年から「超高齢化社会」をテーマに本プログラムを実施しています。

TOKYO町工場HUBは、一橋ICSの委託を受け、第一回目より本プログラムの講師陣の一員として企画と運営に関わっています。

ユニークなプログラムデザイン

本プログラムは、様々な点で非常にユニークな構成となっています。

一つには、多様な国、多様な職業的背景をもつ参加者が集まることです。今回は、米国、中国、ドイツ、アイルランド、メキシコ、南アフリカ、韓国、インド、インドネシアから、企業経営者、起業家、医者、弁護士、ジャーナリスト、金融・保険のビジネスマン、看護師、軍人など、多種多様な人たちが集まりました。

Executve MBAは社会人経験が15年以上が前提なので、年齢的には30代後半から40代の人が大半。多様かつ経験豊富なメンバーが集うので、様々なテーマで議論が白熱します。本プログラムではプレゼンテーションのあとの質疑応答に1時間程度を確保するようにしていますが、それでも時間が足りないほどです。

多彩な講師陣、実践的プロジェクト

二つ目は、多彩な講師陣です。今回も大学、行政、企業などから優れた講師陣をお招きし、日本と世界が直面する超高齢化社会を俯瞰的かつ具体的に学べる機会を用意しています。

三つ目は、グループワークを取り入れ、1週間を通じて実践的なプロジェクトに参加者が取り組めることです。プログラムでの学びを生かし、チームとして課題に取り組み、最終日にビジネスプランをプレゼンするものです。Executive MBAといえどもハードルの高い課題ですが、ここが学びのクライマックスとなっており、楽しみなところです。

プログラム初日(DAY 1)

初日はチームビルディングのセッションで参加者のアイスブレーキングをしたあと、午前中はICSの教授陣による日本経済に関する講義からプログラムがスタートしました。

日本経済の成長モデル

ICSの藤川佳則准教授のセッションは、日本における高度経済成長期の成長モデルをNational Innovation Systemとして概観するものです。そのモデルが機能してきた背景と文脈を分析し、時代の変遷の中でその功罪が転換する様子をわかりやすく解説してくれます。さらに、そのような変遷の中で、現在の日本が持つCenter of Excellenceの本質を明示するもので、非常に説得力のあるパワフルな講義でした。

日本の人口動態と労働力

同じくICSの小野浩教授からは、超高齢化社会における社会経済の変化を人口動態から概観し、特に少子高齢化に伴う労働人口の相対的・絶対的な量的減少に焦点が当てられ、その対策としての移民政策や労働生産性の向上、技術革新などについて説明がありました。ただし、こうした施策を展開する上では日本人の気質や文化という側面を無視できず、一筋縄ではいかない可能性も示唆されており、とても知的好奇心を刺激される内容でした。

日本の文化とくらし

午後は、同大学の非常勤講師でありWaNaviを運営している木村素子さんと西坂美奈さんによる日本文化のセッションから始まりました。なぜ日本の作法には実に細かいところまでしきたりがあるのか?という問いかけから始まり、日本人でも知らないことばかりで、学びが多く、楽しかったです。

お二人の講義はテンポが良く、細部まで聴衆視点で内容が練られています。2時間全く飽きることもなく、100点満点の素晴らしいものでした。

小笠原流礼法

教室でのセッションのあとは、バスで移動し、小笠原流礼法を学ぶために世田谷区にある弓馬術礼法小笠原教場を訪問。小笠原流は、江戸時代の徳川将軍の礼法の指南役であり、礼法、弓術、弓馬術の伝統を今に伝えています。参加者は、正しいお辞儀の仕方から始まる礼法の基本的な考え方を学び、弓術の体験までさせていただきました。

日本人でもあまり体験することのない貴重な機会に参加者も興奮気味でした。

レセプション・パーティー

最後は、ザ・プリンスパークタワー東京で歓迎レセプション。33階のバンケットの窓から見える東京の夜景と東京タワーを間近に見て、参加者も大喜び。とても楽しい時間となりました。