創造社デザイン専門学校生 狭川祐実さん

棕櫚屋プロジェクト

サガラの棕櫚たわしブランディング

TOKYO町工場HUBは、創造社デザイン専門学校に通う狭川祐実さん(グラフィック専攻、2年)と期間限定のブランディングプロジェクトを開始しました。有限会社サガラの棕櫚たわしを「暮らしに、たわし」をキャッチフレーズに、新たにブランディングし、新市場の開拓を目指すものです。

経緯

本プロジェクトは、狭川さんが進級課題として製作した作品をベースにしています。「SDGs」をテーマにブランディング企画する課題に対して、狭川さんが考えたのは、次のことでした。

「SDGs」は新しい価値感であるかのように取り扱われているが、その本質は日本に昔からある伝統や文化に通じるものがあるのではないか。新しいことを探すのではなく、昔からある習慣・文化を見直そう。

そこで選んだのが「棕櫚たわし」。狭川さんの育った葛飾区の伝統産業を調べていたところ、偶然「棕櫚たわしサガラ」のホームページを見つけたのがきっかけ。問い合わせフォームから工房見学を打診し、2021年の年の瀬の帰省時に合わせて、実際に職人と面談し、製作の様子を見ていきました。その時に「このたわしをいろんな人に使って欲しい」と思い、棕櫚でできた良質なたわしを販売する棕櫚たわし専門店「棕櫚屋」の企画を練ったとのこと。

それは、心のこもった企画書でした。

筆者は若い頃、企画とは「人を動かすこと」が目的であると教えられました。また人を動かすのは理屈ではなく、感情であると。この企画書は、その意味で力強い企画書でした。それは何よりも、私たちの日常生活に寄り添うことで最もSDGsの精神に合致するものでした。また、言葉が紡ぎ出す体験/イメージは新鮮で、忘れていた暮らしの喜びや幸せをうまく伝えるものでした。

企画書には、棕櫚屋のコンセプト、パッケージ、リーフレット、ホームページ、広報について記載されています。TOKYO町工場HUBは、このプランに沿って「棕櫚屋」を実現するプロジェクトを提案、共同事業としてスタートさせることにしました。期間限定ですが、プロジェクト終了時に次のステップを両者で検討し、継続の是非・方法を見直します。

プロジェクト概要

狭川祐実さんプロフィール

東京都葛飾区出身。看護学部を卒業し、大阪の病院で看護師として勤務。仕事をする中で、解決できない問題に対しデザインがそのヒントになるのではないかと考え、病院を退職し、グラフィックデザインを学ぶため、専門学校に入学する。

現在は、大阪で看護師を続けながら、デザインを学んでいる。