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ロボカップ・ジャパンオープンに参戦!

チーム・アイザックの初めての公式戦

自立型ロボット開発チームであるチーム・アイザックは、2019年8月16日から8月18日の3日間をかけて長岡市で開催されたロボカップ・ジャパンオープンに参加、2日間の予選を戦い抜きました。これがチームにとって初めての公式戦でした。

8月16日の開会式の様子。今回が20回目となる大会には、全国から約60チームが参加した。

第20回目の記念大会

ロボカップとは、ロボットによるサッカー大会で1992年に発足、ロボカップ・ジャパンオープンは今回で20回目となりました(世界大会は2019年7月に第23回大会をシドニーで開催した)。我がチームが参加したのは小型リーグ(車輪)という競技で、会場の最も広いスペースで全国から参加した7チームによって熱戦が繰り広げられました。人間がリモコンで動かすのではなく、人工知能によって動くロボットが戦略に基づいて自立的に戦うもので、小型(車輪)リーグでは、8台のロボット同士が対戦します。

8台のロボット同士が縦横無尽に動き回り、サッカーの試合を競う。その動きの早さに驚かされる。
ロボットによるレスキューを競う競技もある。
ヒューマノイド型は見ているだけで楽しい。
レスキュー競技には、全国から大学生チームが参加。

小型(車輪)リーグの特徴は、スピードが非常に早いこと。ロボカップでは他にもヒューマノイド(人間型)のロボットがサッカーをする競技もありますが、こちらは技術的な課題が多くスピードは遅い。それに比べて小型(車輪)リーグでは、すでに人間では追いつかないほどにスピードが高まっています。世界大会のルールではオートレフリーというシステムが導入され、レフリーさえも自動制御され、ロボットが自動的に競技を進めるようになっています。

とは言え、このような競技を安定的に戦うロボットとそれを動かす戦略やシステムを作り上げることは並大抵なことではなく、日本の精鋭を集めた大会でも、なかなか思い通りに戦うことは難しい。20回目を数えていますが、競技としてもまだまだ発展過程にあるという感じです。

しかし、それだけにやりがいもありますし、参加するチーム同士の仲間意識も高い感じです。勝ち負けはもちろん大事ですが、それ以上にお互いに情報交換をしながら技術を高めていくことに主眼があります。チーム・アイザックのような若い人たちにとって、このようなコミュニティにいることは非常に良い経験になると思います。

チーム・アイザックの戦略担当班。秀才の集まりだ。

チーム・アイザック善戦!

チーム・アイザックも20名ほどのチームになっており、今回は社会人2名を含む11名が現地入りすることができました。ロボットとそのプログラミングに難航した部分もあり、大会直前までメンバーは寝る間もないほどに調整に明け暮れ、本番を迎えましたが、初戦はトラブル続出で用意したロボット5台のうち、まともに動いたのは1、2台で大苦戦しました。結果は6-0の敗北となりました。

ハーフタイムの機体の整備も大変な仕事。
機体が火を出して燃えることもよくあるとか。

2日目に予定されていた第2戦に向けて、初戦終了後からチーム総動員で調整を行い、ほぼ徹夜状態で迎えた試合では、なんとか5台動かせることができ、初戦に比べて大きな進展がありました。一進一退となった接戦でしたが、惜しくもこの試合も1-0で負けてしまい、これで予選敗退が決まりました。

次回は2020年3月に愛知県で

結果としてチームは、残念ながら予選を通過することはできませんでしたが、たくさんの貴重な経験と学びを得ることができました。何よりも、チームとしてはじめて公式戦に出場したことで、チームの結束力が高まったのは、大きな成果だったと思います。

来年のロボッカップ・ジャパンオープンは、オリンピックの開催があるため例年より早い3月に愛知県で開催予定。その前に11月には全国規模の練習会もあります。今回の反省を生かし、より上のレベルを目指します。

継続的なチームの運営へ向けて

会場で他のチームの方々とも話しましたが、どこのチームも活動を継続的に運営するには、人材面や資金面で大変苦労しているようです。一方、ロボカップのような競技を通じて、ロボットや人工知能などに関心を持つ子供や若い人たちが増え、日本の技術の底上げを図っていくことはとても大事なことだと思います。

TOKYO町工場HUBはチームの一員として、パートナーやスポンサー体制の構築、資金調達、広報、練習会場の確保などの点でチームのプロデュースに関わっています。これからも微力ではありますが、少しでも熱意ある若い人たちが活躍できる場作りに貢献してまいります。

次へ向けての試行錯誤が始まる。