インドのトップビジネススクールの学生たちを迎えて
TOKYO町工場HUBは、2018 年7月2日(月)に インドのトップクラスの経営大学院(ビジネススクール)であるSP Jain Institute of Management & Research(SPJIMR) の教授と学生25名を東京都足立区で受け入れ、東京の中小製造業に関するセミナーを行い、株式会社トミテックさんのご協力を得て、実際に工場を見学するプログラムを企画・運営致しました。SPJIMRは、名古屋商科大学とも提携しています。
参加した学生たちは、SPJIMRのエグゼクティブMBAコースに通うインド全国の主に製造業に携わる中小企業オーナーの2代目、3代目で、月に一度、同大学院があるムンバイに6日間の集中講義を受けるプログラムになっており、その一環として日本訪問が組み込まれているとのこと。東京、名古屋、大阪、京都の大企業(トヨタ自動車、日産、ヤクルト、アサヒビールなど)を中心に1週間で巡る日程になっており、私たちのプログラムがその最初のスタートとなったものです。
セミナーでは、東京の製造業の歴史を江戸時代に遡って説明し、大戦後の焼き後の時代を経て、高度経済成長期に拡大した日本のものづくりの土台と系列のあり方を解説、その後のグローバリゼーションや円高の時代をへてパラダイムチェンジし、今に至る流れをお話ししました。その上で、今の生き残った中小製造企業の新しい課題と機会について語り、これからの中小製造企業にとっての新しいグローバルビジネスの可能性について私見を述べさせて頂きました。
学生たちからは、高度経済成長時代に人々が新しい産業をつくり、経済を立て直そうと一生懸命になった当時の人々の意識とはどういうものであるかというような質問や、淘汰の時代を経て生き残っている会社の特徴などについて聞かれ、大いに盛り上がったセッションとなりました。
セミナーのあとは、足立区で精密金属プレス加工を行う株式会社トミテックを訪問。工場の概要の説明を受けたあと、グループに分かれて工場内を見学させて頂きました。
参加者は、自身が製造業を営むため、工場内のあらゆることに興味津々。時間が短かったので、多くを説明することはできませんでしたが、ボックスについているタグや、管理表、廃棄物の処理方法まで、新しいものを見つけては熱心に質問をしていました。
興味深い質問としては「なぜ最先端の設備や工具を持たずに、最先端の技術力と製品を提供できているのか」というもので、日本人が設備や工具を何十年に渡って日々大事にしていることを驚きを持って感じていたようです。毎日の小さな改善の積み重ねを継続的に行う大切さを「カイゼン」を専門にする教授が解説していました。また、参加者は不良品率の低さにもびっくりしていました。
参加者たちからは、非常に有意義なセッションと工場見学であったと後からフィードバックをもらいました。こういう機会をきっかけに、将来、足立区や葛飾区の町工場との国際ビジネスが展開することを期待しています。
最後になりましたが、急なお願いであったにも関わらず、今回も快く受け入れてくださった株式会社トミテックの尾頭美恵子社長、尾頭孝幸取締役をはじめ、工場のスタッフの方々全員に心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。