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小川真由氏の講演「ファクトから考える中小企業の付加価値経営」(動画)

事実と向き合う希望

先般開催されたITmedia Virtual EXPO2022春において、株式会社小川製作所の小川真由氏が全体講演の場で基調講演を行いました。タイトルは「ファクトから考える中小企業の付加価値経営」です。

この動画は、同氏がIT media MONOistで連載している「ファクトから考える中小製造業の生きる道」を要約したもので、日本経済の現状や課題を統計データから読み解く内容になっています。特に、日本経済における中小企業の状況を軸に解説されています。

眩しい光を見ると、その光が消えた後でも光の幻影が残ります。私たちは、高度経済成長からバブルの時代を駆け抜け、今もその幻影を見ているようなところがあるような気がします。目の前にあるのに、それが見えないのです。光があまりに強かったのか、幻影が視野を遮ってしまう。

小川さんのアプローチは、経済や社会を見るための言わば目薬の提供です。あるいは、歪んだ幻影を正規化するためのフィルターのようなもの。統計を通じて初めて、私たちは事実と向き合うことができます。どんな課題も、その課題の真の姿を見ない限り、本当の解決は見出せないのです。この動画を見れば、どれほどの思い込みで社会や経済を理解しているつもりになっているか、大いに反省させられます。

一方、事実を見る見方には、価値観が伴います。ある事実を見て絶望するか、希望と見るかは、人の価値観次第です。小川さんは、希望を見ているように思います。受け身ではなく、行動者として。解説者ではなく、痛みも苦しみも共感する一人として。それが「多様性の経済」という提案になっています。

まずは動画をご覧ください。きっと、勇気が出ます。