東京手仕事プロジェクトを開始!
三絃司きくおかの三味線製作技術をテーマ
ロンドンのARVenture Studioとの国際コラボプロジェクト
TOKYO町工場HUBは、東京都と東京都中小企業振興公社が主催する「東京手仕事」プロジェクトに参加します。東京手仕事は、伝統工芸品の魅力を引き出し、現代に合った新しい製品を創生、その魅力を国内外に発信することを目的に、2015年度から取組んでいる事業です。
伝統工芸の職人とデザイナーをマッチングするもので、デザイナーが製品デザインを提案し、職人がそれを製作、コンペで競うものです。製品は選考会で審査され、優秀な製品が表彰されます。
一方、TOKYO町工場HUBが注目したのは、東京手仕事がこれまで築いてきたビジネスプラットフォームとしての価値です。これを有効活用することで、伝統工芸の分野において、ユニークな事業創出の方法が見出されるのではないかと考えました。
そこで製品デザインではなく、新しいビジネスデザインの取り組みを主体に企画書を作り、応募したところ、採用が決まったものです。
今回は、三味線製作の名人である三絃司きくおかの河野公昭氏の三味線製作の技術を応用したプロジェクトになります。デザイナーには、ロンドンで活躍するARVenture StudioのAndy W.E. Lee氏を迎えました。日本とイギリスの2カ国間のコラボレーションになります。
目指しているのは、和楽器の新分野への参入です。今までのエンターテインメントや教育、あるいは楽器蒐集の分野に加えて、新たなニーズを掘り起こすことに挑戦します。対象地域は欧米豪を中心とした海外市場になります。戦略的に製品開発プロセス、マーケティングの仮説検証の進め方をデザインし、ターゲットに対して訴求力のあるプロダクトデザインを追求します。
本プロジェクトを活用し、様々なビジネスやネットワーク、国際的なアライアンスを構築することが可能であると考えています。非常にわくわくするプロジェクトになります。
今後とも、プロジェクトの進行をアップデートしていきます。どうぞお楽しみに。
東京手仕事
東京都及び東京都中小企業振興公社が主催。 現代の消費者が求める伝統工芸品の新商品を創り出すとともに、国内外に新たな市場を切り開くことを目指し、2015年度から、伝統工芸品の新しい商品開発や、国内外に向けた普及を促進する取組「東京手仕事」プロジェクトを進めています。
三絃司きくおか
河野公昭氏
三絃司きくおかの初代。伝統を生かしつつ、新しい革新にも挑戦する三味線職人のリーダー。三味線に関する木材や皮をインド、東南アジア、中国、台湾より直接輸入している数少ない三味線専門工房。
葛飾区伝統工芸士
東京マイスター
東京都中小企業振興公社「東京手仕事」認定
葛飾区伝統産業館館長(令和4年度より)
東京邦楽器商工業協同組合理事長
三味線製作修理技術保存会理事長
ARVenture Studio
Andy W.E. Lee氏
ロンドン芸術大学(Central Saint Martins School of Art and Design)で学び、香港理工大学でデザイン修士を取得。プロダクトデザイン・開発の第一線で25年以上にわたり活躍し続けている。競技用の水着から電動自転車まで幅広い分野で製品デザイン・開発に関わる。
Audiovox、バンダイ、Phillips、Speed、Timexなど世界の著名企業のプロダクトに携わってきた。ロンドンと香港に拠点を持つプロダクトデザイン事務所ARVenture Studio Limitedを設立し、現在に至る。